②スペース
「スペース」
スペース。それは最大140文字という短文の中で他者とやり取りをする枠組みを超え、肉声でたくさんの人とコミュニケーションを図れるという私のようなおしゃくそオンナにとって夢のような機能である。Twitter社は(珍しく)何て素晴らしいものを開発してくれたのだと心の底から思っている。(珍しく)圧倒的感謝。スペシャルサンクス。例えこれがいつかサブスクリプション制になってしまい月額1000円以上になったとしても笑顔でついて行きたい。名前の由来は宇宙と言う意味ではなく隙間と言う意味らしい。宇宙でも隙間でも酸味でも構わないが、私にとってスペースは得意分野での最強のコミュニケーションフィールドであり文章以外で交流を深められる絶好の機会であった。文章のニュアンスでは推し量れない相手の声色や抑揚で心の動きが手に取るようにわかる。前回から謎の探究心に引き続き突き動かされている私は本来の目的+αでこの機能を使い倒したいと決意し、まずは試しに誰かのスペースを聞いてみた。
①ひたすらに愚痴
②遊び相手の募集
③他愛もない雑談
ざっと聞いた感じ、この3つが殆どをしめていて中には「仲良し限定それ以外は弾く」などというものもあった。何だそれは。歴史が動く瞬間を目の当たりにしたような、食べたことのないものを口に入れた時のような高揚感がある。これは本当に私が散々使い倒してきたTwitterの姿なのか。
……Twitter社は(珍しく)何て素晴らしいものを開発してくれたのだと心の底から思っている。(珍しく)圧倒的感謝。スペシャルサンクス。やっぱり月額2000円以上になったとしても笑顔でついて行きたい。
目の前の相手の風貌が計り知れないのが特徴のSNSで誰かと一定以上交友関係を深めようと思ったら文章だけではどうしても難しい部分がある。だからといって個人的な連絡先等の交換はリスキーであり大いなる手間。特にこの「裏垢」という界隈ではそれは色濃いのではないか。
「みんなとノーリスクで話したい」
このありそうで無かったちょっと痒いところに手が届く機能がこれからもっともっと浸透し、ますますTwitterの使い道に多様性が生まれますように。そのうちメリットだけではなくデメリットも見つけられたら追記したい。
① 書き散らし
裏垢というものの存在自体は大人に毛が生えたような時期から知っていたけれど、正直良いイメージなんか微塵も持っていなかった。そもそもインターネット界隈の特大限界スラムみたいなイメージを拭えないから、意を決して足を突っ込み周りを見渡す勇気云々のスイッチが入るきっかけが無かったら私のこの性格的に生涯目にも気にもとめなかったかも知れない。いざ、この世界(裏垢界隈)とは一体なんぞや?と真面目に考えるきっかけができた例のあの時に裏垢という場の立ち位置と言うか在り方と言うか、定義や姿があまりにも曖昧なものを自分自身で整理整頓してみたいとふと感じてしまった。
裏は一体何をもってして裏なのか。
日頃苦しみや鬱憤を抱えた人達がなんのしがらみもなく言いたい事を言いたいタイミングでぽんぽこと言えるのが裏なのか、それとも人生の役にも立たないようなしょうもない下ネタをなんの躊躇いもなく放ちゲラゲラと笑うのが裏なのか、意気投合した異性(異性じゃなくても)と名前も生い立ちも分からないまま変形合体して対戦よろしくお願いしまん○!をしたら裏なのか。では粘膜の擦り合わせ及び体液の交換をしなければ裏ではない?ネガティブな事を言わなければ裏ではない?そもそもTwitterにて表垢というものを持ち合わせていない人の裏垢は、表が存在していない時点で裏とは言わないし成立しないのでは?
……などなどこの約1ヶ月で色々見て聞いて頭の中での整理整頓と屁理屈と理屈の狭間を行ったり来たりを繰り返した結果、裏垢という界隈で生きている「そこそこ話のキャッチボールができて、尚且つ己の性器に完全に頭が支配されていない一定層の人達」はまず周囲の人の事や自分が現在進行形で置かれている状況をふんわりと考えこの言動はあまり身の回りのリアルな人の目に触れさせたら宜しくないので棲み分けをしようという気配りができる根が真面目で合理的な人達が集まっていて、同時に自分が言いたい事も言えない出来ないこんな世の中に憔悴しているのかも知れないなという答えに至った。並々ならぬ努力で日々「表」を頑張っていて、歯を食いしばっているからこそオフラインには息抜きがしたい。白黒はっきりしないさせないこのふわっとした世界観に身を任せ、何となく波長の合う人とふわっと交流し表の自分を少し忘れる。明日には会話の内容なんて忘れてしまいそうな取り留めのない言葉の海に飛び込んで、炸裂しては消える話題の打ち上げ花火を見上げ何の気持ちも答えも持たぬままただただ心を充電して明日の「表」に向けて眠る…を繰り返す。裏という言葉は人生の休憩所という意味も持ち合わせていたのである。冒頭でも言っているが私は目には見えず分からない世界には自ら飛び込んで学ばなければもう一生分からないままだと思って生きているので、裏垢という世界観を少しだけ理解したような気がした私はあのまま無知でいる事を選択せずにこうして飛び込んで良かったのだろう。心をオフラインにした状態の自分を大切にしている人の気持ちが今の私ならば何となくわかる。
……分かるような、気が、した。